
みんなの取説 torisetsu.jp暮らしの取説
知的障害のある人との関わり方・暮らしの取説
知的障害のある人とご家族、支援者、職場の人に向けて、わかりやすい伝え方、意思決定の支え方、福祉サービスの入口、権利を守る視点をまとめました。
- 対象者
- 知的障害のあるご本人 ほか
- 難易度
- 普通
- 所要時間
- 全体を読むのに15分ほど
- 最終確認
- 2026年10月13日
これは何の取説?
知的障害のある人と、ご本人らしい暮らしを支えるための考え方と関わり方をまとめた取説です。ご本人への敬意を土台に、伝え方、意思決定、制度の入口、権利を守る視点を扱います。
こんな人向け
- 知的障害のあるご本人
- ご家族
- 福祉施設や学校などの支援者
- 同じ職場や地域で関わる人
まず知っておくこと
知的障害は、一般には、学習や理解、判断、日常生活の場面で、サポートがあると過ごしやすくなる特性が、発達期から見られる状態と説明されます。程度や得意なこと、必要な支えは、一人ひとり違います。診断や判定は、医療機関や専門機関が行います。
障害は、個人の「欠陥」ではなく、社会の仕組みや環境との関係で困りごとが生じる、という考え方(社会モデル)が広がっています。環境や伝え方が変われば、できることは増えます。
この記事は一般的な情報です。制度の名称や内容は自治体によって異なるため、お住まいの市区町村の窓口で確認してください。
必要なもの
- 本人のペースに合わせられる時間
- 絵、写真、書いたメモなど、伝える道具
- 本人の好きなこと、得意なこと、困っていることのメモ
- 市区町村の障害福祉窓口の連絡先
手順
ご本人を一人の大人(または一人の人)として尊重する
年齢に合った言葉づかいで接します。子ども扱いや、本人の前で本人の話をほかの人とするのは避けます。
「できない人」と見るのではなく、「どんな支えがあれば、できるか」と考えることが出発点です。短く、具体的に、ゆっくり伝える
1文を短くし、1回に1つのことを伝えます。「あとで」「ちゃんと」などの曖昧な言葉は、「3時に」「このやり方で」と具体的に言い換えます。
本人のペースに合わせ、話し終わるまで待ちます。早口や、一度に複数の依頼は避けます。絵・写真・実物で見える形にする
言葉に加え、絵、写真、実物、実演(やって見せる)を使います。1日の予定を絵カードにしたり、手順を写真つきの紙にしたりする方法があります。
本人に合う方法は人それぞれです。「どれが分かりやすい?」と本人に聞いてみましょう。理解を確認するときは、責めない聞き方で
「分かった?」の代わりに、「どうするんだっけ?」と、やって見せてもらったり、言ってもらったりします。
うまくいかなかったときは、「説明が難しかったね。もう一度やろう」と、説明の側の工夫を見直します。本人の意思決定を支える
食べ物、服、予定、住まい、仕事など、本人が決めることを尊重します。選択肢を2〜3個に絞り、違いを分かりやすく見せて、本人が選べるようにします。
本人の意思が分かりにくいときは、表情や行動、普段の様子、本人をよく知る人の話を手がかりにし、本人の立場で考えます。周囲が先回りして決め続けないことが大切です。できることを増やす機会をつくる
小さな成功体験を積み重ねます。家事、買い物、乗り物の利用、仕事の作業などを、手順を分けて、少しずつ一緒に練習します。
「全部を手伝う」ではなく、「必要なところだけ手伝う」ことで、自信と自立につながります。うまくできたら、具体的に認めて伝えます。福祉サービスの入口を知る
暮らしや仕事を支える福祉の制度があります。療育手帳や相談支援といった名前が出てくることがありますが、対象や手続き、受けられるサービスは自治体によって違います。
まずは市区町村の障害福祉窓口や、相談支援事業所に「どんなサービスがあるか聞きたい」と相談してください。権利を守る仕組みを知る
お金の管理や契約が心配なときのために、成年後見などの権利擁護の仕組みがあります。内容や手続きは複雑なため、名前を知っておき、必要になったときに窓口や専門家に相談してください。
どの仕組みを使う場合も、本人の意思をできる限り尊重することが前提です。虐待・消費者被害から守る
訪問販売、勧誘、ネット契約などで、困ったり、だまされたりしないよう、「その場で決めない」「必ず誰かに相談する」を一緒に決めておきます。
本人が叩かれる、怒鳴られる、お金を勝手に使われるなどの様子があれば、虐待の可能性があります。市区町村の障害者虐待防止の窓口や、警察に相談してください。
注意点
- 「かわいそう」「迷惑」などの見方で接せず、一人の人として敬意をもって関わる
- 本人の代わりに、同意なく契約・お金の管理・重要な決定をしない
- 虐待が疑われるとき、暴力や身の危険があるときは、すぐに110や119、市区町村の窓口へ
- 消費者被害や契約トラブルは、消費者ホットライン188(消費生活センター)に相談する
- 支援者や家族も疲れをためない。一人で抱えず、相談支援事業所や自治体に相談する
- この記事は一般情報であり、診断や個別の判断ではない。制度の詳細は自治体や専門機関で確認する
コツ
- 本人の好き・得意・苦手・心地よい関わり方を1枚のメモにまとめ、関わる人で共有する
- 予定が変わるときは、早めに、見える形で知らせる
- 職場では、作業手順を写真つきで示すと、全員が働きやすくなる
- 「どうしたい?」と聞く習慣をつける
- 本人が頑張っていること、できたことを具体的に言葉にする
よくある質問
Q知的障害かどうかは、どこで分かりますか?
診断や判定は、医療機関や専門機関が行います。気になる場合は、かかりつけ医や、市区町村の障害福祉窓口、子どもの場合は発達に関する相談窓口に相談してください。
Q本人が決めたことが、心配な内容のときは?
まず本人の考えを聞き、心配な理由を分かりやすく伝えます。危険がある場合は、別の案を一緒に考えます。決められないときは、相談支援事業所などの第三者に入ってもらう方法もあります。
Q利用できるサービスは、どう調べればよいですか?
市区町村の障害福祉窓口か、相談支援事業所に聞くのが近道です。名前や条件は自治体ごとに異なるため、窓口で確認してください。
Q職場で、どんな配慮ができますか?
指示を短くする、手順を写真や絵で示す、一度に頼むのは1つにする、質問しやすい人を決めるなどがあります。本人に「何があると働きやすいか」を聞くことが大切です。
まとめ
「一人の人として尊重 → 短く・具体的・ゆっくり → 絵や写真を使う → 本人の意思を支える → できることを増やす → 窓口に相談 → 虐待・被害から守る」。環境を整えることが、暮らしやすさにつながります。
参考リンク
この取説はどうでしたか?
みんなの取説 torisetsu.jp / https://torisetsu.jp/manual/intellectual-disability-guide/
作成日:2026年10月26日 ※内容は更新されることがあります。最新版は上のURLで確認できます。一般的な情報であり、医療・法律・お金などの判断は専門家や公式窓口にご相談ください。
この取説への質問
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