
みんなの取説 torisetsu.jp仕事の取説
「覚えが悪い」と感じるときの取説(覚え方の違い・本人の工夫・教える側の工夫)
「もの覚えが悪い」と決めつけず、覚え方の違い、説明の仕方、負荷、睡眠、不安の影響を整理しました。本人のメモ・手順書・復習の工夫と、教える側の工夫、受診の目安をまとめています。
- 対象者
- 仕事や勉強で、覚えることが多くて困っている本人 ほか
- 難易度
- 普通
- 所要時間
- 工夫を試して効果を見るまで、2〜4週間が目安
- 最終確認
- 2026年10月13日
これは何の取説?
「なかなか覚えられない」と本人が感じたり、周りがそう感じたりするときに、原因を決めつけず、覚え方と教え方を見直すための取説です。人は、得意な覚え方が違います。合う方法に出会えると、覚えやすさは大きく変わります。
こんな人向け
- 仕事や勉強で、覚えることが多くて困っている本人
- 新しい仕事を教える先輩・上司・指導者
- 家族や身近な人の物覚えが気になる人
- 教え方を見直したいチームのリーダー
まず知っておくこと
覚えにくさには、いろいろな理由が関わります。教え方や説明の順番、一度に伝える量、睡眠不足、疲れ、緊張や不安、経験の違い、得意な覚え方(見る・聞く・体を動かす)などです。能力や人格の問題とは限りません。
この記事は一般的な内容で、診断をするものではありません。年齢にかかわらず、気になる変化は専門家に相談してください。
必要なもの
- ノートまたはメモアプリ
- 手順書やチェックリストを書く紙・ファイル
- 復習の日をメモするカレンダー
- 教える側は、実演できる時間と、見本になる資料
手順
「覚えが悪い」というラベルを外す
まず、「覚えが悪い」という言い方をやめます。代わりに、「どの場面で、何が定着しにくいのか」を具体的にします。
例: 手順の順番、専門用語、人の名前、数字、口頭の指示。
場面がはっきりすると、工夫を絞り込めます。覚えにくさの背景を点検する
次の点を、責めずに振り返ります。
- 説明が早い、長い、専門用語が多かった
- 一度に覚える量が多かった
- 睡眠不足、疲れ、空腹、体調不良
- 緊張や不安が強く、頭が真っ白になる
- 忙しくて、復習する時間が取れない
- 教わる環境が騒がしい、質問しにくい
原因が一つとは限りません。
本人: 聞いたらすぐメモし、自分の言葉に直す
教わったことを、その場で短くメモします。後で自分の言葉に書き直すと、理解が深まります。
図、矢印、色分けを使うと、順番や関係が見やすくなります。聞き取りが難しいときは、「メモを取りながら聞いてよいですか」「メモを見せて確認してもよいですか」と伝えます。本人: 手順書とチェックリストを作る
繰り返す仕事は、自分用の手順書にします。1手順1行で、迷いやすい部分には注意点を書き添えます。
チェックリストにすると、覚えていなくても確認しながら進められます。覚えることを減らすのも立派な工夫です。本人: 復習の間隔をあけて、少しずつ思い出す
覚えたいことは、1回で詰め込まず、翌日、3日後、1週間後など間隔をあけて見返します。
見るだけでなく、「何も見ずに思い出せるか」を試すと、定着しやすくなります。1回5分でも効果があります。復習の日は、カレンダーに入れておきます。本人: 睡眠・休憩・不安への対策をとる
睡眠不足は、覚えにくさに影響しやすい要因です。寝る時間を少し早めたり、休憩を取り入れたりしてみましょう。
緊張で頭が真っ白になりやすいときは、「分からなくなったら、メモを見ていいですか」と先に伝えておくと、安心につながります。教える側: 短く、具体的に、順番を示す
- 一度に伝えるのは3つ程度まで
- 「まず、次に、最後に」と順番を示す
- あいまいな言葉(適当に、いい感じに)を避け、数字や例で言う
- 終わりに、「やることを自分の言葉で言ってもらえますか」と確認する
「分かった?」と聞くだけだと、「はい」と答えやすいため、確認の仕方を工夫します。
教える側: 実演して、一緒にやって、任せる
手順は、①やって見せる、②一緒にやる、③一人でやってもらい見守る、④振り返る、の順で教えます。
見本、写真、動画、チェックリストなどの資料を用意しておくと、何度も同じ説明をする負担も減ります。同じことを聞かれても、人前でため息をつくなどの態度は避けます。効果を見て、合う方法を残す
2〜4週間後に、「前より楽になったこと」「まだ難しいこと」を話し合います。
合う工夫は続け、合わない工夫はやめて別の方法を試します。仕事の量が多すぎる場合は、覚える内容の優先順位をつけ直しましょう。
注意点
- 「覚えが悪い」「何度言わせるんだ」など、人格や能力を否定する言葉は使わない。人前での叱責もしない。ハラスメントにあたる場合がある
- 物忘れが急に増えた、以前できていたことができなくなった、日常生活(お金の管理、道に迷う、薬の飲み忘れなど)に支障がある、年齢に比べて強い不安や落ち込みが続く、本人がつらいと感じるときは、かかりつけ医、物忘れ外来、産業医、地域の相談窓口などの医療機関・専門家に相談する
- 診断や原因の決めつけは、周りの人がせず、専門家に任せる
- 長時間労働や強いストレスが続いているときは、休養と相談を優先する
- 労務や法律の細部は、会社の規程と厚生労働省の情報で確認する
コツ
- 覚える量を減らす工夫(手順書、チェックリスト、写真)は、誰にとっても役立つ
- 見て覚える人、聞いて覚える人、やって覚える人など、得意はさまざま。複数の方法を試すと合うものが見つかる
- 質問が出やすい雰囲気は、教える側がつくる。「何度でも聞いてください」と最初に伝える
- 覚えたことより、「できるようになった工夫」をほめる
- 新しい仕事は、似た経験とつなげて説明すると理解しやすい
よくある質問
Q同じことを何度も聞いて、迷惑ではないかと不安です。
聞くこと自体は悪いことではありません。メモを見返したうえで、「ここが分かりませんでした」と聞くと、相手も答えやすくなります。答えは手順書に書き足して、自分用の資料にしていきましょう。
Q新人が何度も同じミスをします。どう指導すればいいですか?
人ではなく、仕組みを見直します。手順が長すぎないか、説明が伝わっていたか、チェックリストがあるかを確認します。指導は、人前を避けて短く具体的に行いましょう。
Q年齢のせいか、最近物覚えが悪くなった気がします。
睡眠、疲れ、ストレスの影響も大きく、年齢だけとは限りません。急に増えた、日常生活に支障がある、不安が強いなどのときは、かかりつけ医や物忘れ外来、地域の相談窓口に相談してください。
Q緊張すると頭が真っ白になります。
事前にメモを用意し、「見ながら確認します」と伝えておくと安心です。緊張や不安が強く、生活や仕事に大きな支障があるときは、産業医や医療機関に相談しましょう。
まとめ
「ラベルを外す → 背景を点検 → メモ・手順書・間隔をあけた復習 → 教える側は短く具体的に、実演して任せる → 気になる変化は専門家へ」。覚え方は人それぞれ。合う方法を見つけることが近道です。
参考リンク
この取説はどうでしたか?
みんなの取説 torisetsu.jp / https://torisetsu.jp/manual/slow-learner-guide/
作成日:2026年10月26日 ※内容は更新されることがあります。最新版は上のURLで確認できます。一般的な情報であり、医療・法律・お金などの判断は専門家や公式窓口にご相談ください。
この取説への質問
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