
みんなの取説 torisetsu.jp暮らしの取説
トリアージの取説(救急外来と災害時の優先順位の考え方)
救急外来で「後から来た人が先に呼ばれた」のはなぜか。災害時に付けられるトリアージタグの色は何を表すのか。トリアージの考え方を、一般の人向けにやさしくまとめました。
- 対象者
- 夜間や休日に救急外来を受診して、待たされて不安になった人 ほか
- 難易度
- 初心者向け
- 所要時間
- 読むだけなら10分ほど
- 最終確認
- 2026年10月13日
これは何の取説?
トリアージとは、限られた人手と設備のなかで、より急ぐ人から順に治療できるように優先順位をつける考え方です。この取説では「救急外来での優先順位」と「災害時のトリアージタグ」の2つを、受ける側・見守る側の目線で説明します。
こんな人向け
- 夜間や休日に救急外来を受診して、待たされて不安になった人
- 家族が救急搬送されて、病院で待っている人
- 災害時にトリアージタグを見て、意味が分からず困りそうな人
- 防災の一環として、仕組みを知っておきたい人
まず知っておくこと
トリアージは「先着順」ではなく「急ぐ順」で診る仕組みです。待ち時間が長いのは、後回しにされたのではなく、ほかに急ぐ人がいる可能性があるからです。
なお、重症度を決めるのは医師・看護師などの専門職です。この記事は考え方の説明であり、自分や家族の状態を自分で判断するためのものではありません。
必要なもの
- 保険証(または資格確認に必要なもの)
- 普段飲んでいる薬の名前が分かるもの(お薬手帳など)
- アレルギーや持病、いつから具合が悪いかのメモ
- 家族の連絡先
- 迷ったときの相談先として #7119(救急安心センター)や #8000(小児救急電話相談)
手順
トリアージの基本を知る
トリアージはフランス語の「選別する」に由来する言葉です。命に関わる状態の人、早く処置すれば助かる人を見逃さないために、最初に短い時間で状態を見て優先順位をつけます。
優先順位は、診ていく途中で変わることがあります。救急外来に着いたら、受付で症状を正直に伝える
受付や看護師の確認では、いつから、どこが、どのくらい具合が悪いかを聞かれます。
我慢して軽く言ったり、逆に大げさに言ったりせず、ありのままを伝えます。持病や飲んでいる薬、アレルギーも伝えましょう。救急外来での優先順位の考え方
多くの救急外来では、症状の重さと急ぎ具合で、順番を決めます。呼吸や意識、出血、強い痛み、年齢などが考慮されると言われます。
病院によって区分の名前や運用は違いますが、考え方は共通です。命に関わるおそれが高い人が最優先になります。待っている間にやること
呼ばれるまでの間は、状態が変わらないかを見ます。痛みが強くなった、息が苦しくなった、意識がぼんやりしてきたなど、来たときと違うことがあれば、すぐに受付や近くのスタッフに声をかけます。
勝手に帰らず、帰るときも必ず申し出ます。「後から来た人が先に呼ばれた」ときの受け止め方
救急車で運ばれた人や、急ぎ度が高い人が先に診られるのは、トリアージの結果です。順番をとばされたわけではありません。
待ち時間が長くて不安なときは、スタッフに状態を伝えて、見通しを聞いてみましょう。災害時のトリアージタグの意味を知る
大きな事故や災害では、多くのけが人が一度に出ます。そこで、けがの程度を色で表したタグ(札)を手首などに付けます。
一般に知られている色の意味は次のとおりです。- 赤:すぐに治療が必要
- 黄:治療を少し待てる
- 緑:軽いけがで、後回しにできる
- 黒:救命が難しい状態、または亡くなっている
タグは専門の訓練を受けた人が付けます。色が違うことは、人の価値の差ではありません。
災害時にタグを付けられたら、付けた家族がいたら
タグは、治療の順番や搬送先を決めるための札です。付けられても、外したり付け替えたりしないでください。
緑や黄でも、時間がたって状態が変わることがあります。気分が悪くなったときは、近くの救護所のスタッフに伝えます。タグの色に納得がいかなくても、現場では医療者の判断に従います。迷ったときの相談先を決めておく
救急車を呼ぶべきか迷うときは、#7119(救急安心センター)に相談できます。子どもの急な病気は #8000(小児救急電話相談)です。地域によって対応時間やつながるかどうかが違うので、お住まいの自治体の案内を事前に確認しておきます。
命に関わりそうなときは迷わず119番に電話します。
注意点
- 重症度を自分や周りの人が決めない。判断は医師・看護師など専門職に任せる
- 目安であり、現場では119番の指示や医療スタッフの指示に従う
- 待たされている間に症状が悪くなったら、順番を待たずにすぐスタッフに伝える
- スタッフに強い言葉をぶつけない。落ち着いて状況を伝える方が早く伝わる
- 区分の名前、色の意味、運用は国や地域、病院で違うことがある。ここで述べたのは一般的な説明
コツ
- 症状は「いつから・どこが・どう変わったか」をメモして持っていくと、短時間で伝えられる
- お薬手帳は救急外来でも役に立つ。普段から持ち歩くか、スマホで撮っておく
- 付き添いは、本人の代わりに症状を伝えられる人が向いている
- 防災訓練でトリアージ訓練が行われることもあるので、機会があれば見学してみる
よくある質問
Q救急外来で何時間も待たされています。忘れられているのでしょうか?
たいていは、より急ぐ人を先に診ているためです。ただ、症状が悪くなったときや不安が強いときは、遠慮せずスタッフに声をかけてください。再評価の仕組みがある病院も多くあります。
Q軽い症状でも救急外来に行ってよいのですか?
救急外来は、急ぐ人のための場所です。軽い症状で受診すると、急ぐ人を待たせてしまうことがあります。迷ったときは #7119 や #8000、かかりつけ医、自治体の案内で、行く場所を確認しましょう。判断が難しいときは、無理をせず相談してください。
Q災害時のタグが黒だった場合、すぐに諦められてしまうのですか?
黒は、その時点の限られた条件の中で、救命が難しいと判断された状態を表します。判断は現場の専門職が行うものです。その場で納得できないときは、救護所のスタッフに状況を聞いてください。
Qトリアージは子どもも同じ基準ですか?
子どもは大人と体の特徴が違うため、年齢に合わせた評価が使われることが多いです。詳しい基準は医療機関で異なります。子どもの様子が変だと感じたら、すぐにスタッフに伝えてください。
まとめ
「先着順ではなく、急ぐ順に診る」のがトリアージです。症状は正直に伝え、待っている間に悪くなったらすぐ知らせる。災害時のタグは、治療の順番を決めるための札です。迷うときは #7119 や #8000、命に関わりそうなときは迷わず119番。
参考リンク
この取説はどうでしたか?
みんなの取説 torisetsu.jp / https://torisetsu.jp/manual/triage-guide/
作成日:2026年10月26日 ※内容は更新されることがあります。最新版は上のURLで確認できます。一般的な情報であり、医療・法律・お金などの判断は専門家や公式窓口にご相談ください。
この取説への質問
取説の内容について分からないことを質問できます。作者が回答します。
まだ質問はありません。