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マンションの自主管理の取説(管理会社に頼らず自分たちで管理するとき)

管理会社に委託せず、住民の手でマンションを管理する「自主管理」。進め方、メリットと負担、始める前と続けるときの注意点を、順番にまとめました。

対象者
管理会社への委託費を見直したいと考えている管理組合の役員・住民 ほか
所要時間
準備に数か月〜半年ほど(その後は継続的な運営)
最終確認
2026年10月13日
取説編集部

これは何の取説?

管理会社に管理業務を委託せず、管理組合が自分たちで会計、清掃、点検の手配、総会の運営などを行う「自主管理」を、始める前の検討から運営のコツまで順番に整理した取説です。小規模なマンションや、これから委託を見直したい組合を想定しています。向き不向きがはっきりある方法なので、まず「やる・やらない」を判断する材料として読んでください。

こんな人向け

  • 管理会社への委託費を見直したいと考えている管理組合の役員・住民
  • すでに自主管理で、引き継ぎや続け方に悩んでいる人
  • 小規模マンションの住民で、委託せずに運営できるか知りたい人

まず知っておくこと

自主管理は、委託費を抑えられる可能性がある反面、役員や住民の時間と責任が大きく増えます。規模、住民の年齢構成、役員のなり手、建物の古さによって向き不向きが変わります。
法令に基づく手続き(総会の開催、帳簿の管理、書類の保存など)は、自主管理でも省けません。法律・お金・税金の判断は一般情報としてお読みいただき、個別の事情は専門家に相談してください。

必要なもの

  • 管理規約・使用細則
  • 現在の管理委託契約書(委託している場合)
  • 収支がわかる帳簿・通帳・決算書
  • 長期修繕計画書と修繕履歴
  • 設備の点検記録や、業者の連絡先一覧
  • 住民名簿(個人情報の取り扱いルールとあわせて)

手順

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  1. 管理会社が担っている仕事を洗い出す

    まず、今どんな仕事を管理会社が引き受けているかを書き出します。会計の処理、管理費の請求と滞納対応、清掃の手配、設備や消防の点検の手配、総会資料づくり、緊急時の対応、住民からの問い合わせなどが典型です。
    契約書と見積書で、どの作業にいくらかかっているかも確認します。これが、自主管理にしたときの「自分たちの仕事」の全体になります。

  2. 向き不向きを話し合い、メリットと負担を比べる

    メリットは、委託費を抑えられる可能性、住民の目が行き届きやすいこと、意思決定が早いことなどです。
    負担は、役員の時間と責任、専門知識の不足、役員の交代による引き継ぎの難しさ、トラブルが起きたときの対応です。
    「安くなりそう」だけで決めず、役員が実際に担える時間や得意分野を、率直に話し合います。

  3. 一部だけ自分たちでやる選択肢も検討する

    全部を自分たちでやるか、全部を委託するかの2択ではありません。会計と事務だけ委託して清掃は住民で行う、点検の手配だけ自分たちで行う、といった一部委託も可能です。
    負担を無理なく調整するために、まずは小さく始める方法も検討します。

  4. 総会で決議し、管理規約との整合を確認する

    管理方式を変えるのは、組合の重要な決定です。必要な決議の方法は管理規約や法令で決まっているので、事前に確認します。
    委託契約を解約するときは、契約書の期間と解約予告の条件が大切です。条件を守らないと、費用の問題が起きることがあります。弁護士やマンション管理士に事前に相談すると安心です。

  5. 会計と書類の仕組みをつくる

    管理費・修繕積立金の通帳や口座を分けて管理し、入出金を記録する帳簿をつけます。領収書の保管場所、帳簿の確認者、年1回の監査の担当を決めます。
    会計は特に間違いやトラブルが起きやすい部分です。1人に任せきりにせず、複数人で確認する体制にします。

  6. 業者との付き合い方を決める

    清掃、エレベーターや消防設備の点検、植栽、受水槽など、専門業者に頼む業務は引き続き発生します。見積もりは複数社から取り、内容と金額を比べます。
    法律で定期点検が決まっている設備もあります。どの設備に何の点検が必要かは、管理会社が持っていた資料や、自治体、専門家に確認します。

  7. 役員の分担と交代の仕組みを決める

    理事長、会計、設備担当、広報などの担当を決め、仕事内容を文書にします。輪番制にする場合は、1年ごとにすべてが入れ替わらないよう、任期をずらす工夫もあります。
    ひとりに負担が集中しない仕組みが、続けられるかどうかを左右します。

  8. 緊急時の連絡体制をつくる

    水漏れ、停電、設備の故障、火災報知器の作動など、夜間や休日に起きるトラブルへの連絡網を作ります。対応できる業者の連絡先を一覧にして、掲示板や配布物で住民に知らせます。
    24時間対応が必要な場合は、その部分だけ外部の窓口を利用する方法もあります。

  9. 定期的に振り返り、続けるかを見直す

    年に1回の総会で、費用、トラブルの有無、役員の負担を振り返ります。負担が重すぎる、専門的な判断が増えてきたなどのときは、一部または全部の委託に戻す選択肢もあります。
    自主管理は「一度決めたら終わり」ではなく、状況に合わせて見直してよい方法です。

注意点

  • 自主管理でも、総会の開催、帳簿や議事録の保存、法定点検などの義務は変わらない
  • 管理方式の変更や契約の解約は、規約・契約書の内容を確認し、必要に応じて専門家に相談する
  • 会計は複数人で確認し、現金や通帳を1人に任せきりにしない
  • 個人情報(住民名簿、滞納者の情報)の扱いに注意する
  • 費用や法令は変わることがあるので、国土交通省などの公式情報で最新の内容を確認する

コツ

  • 業務の手順を「やること一覧」にして、引き継ぎ資料として残す
  • 点検や契約の更新日をカレンダーにまとめ、役員で共有する
  • 専門的なことは、スポットでマンション管理士などに相談する方法もある
  • 自治体や公的機関のマンション管理に関するセミナー、相談窓口を探してみる
  • 住民アンケートで、得意な分野や協力できる時間を事前に聞いておく

よくある質問

Q自主管理にすると、必ず費用は安くなりますか?
A

委託費は減る可能性がありますが、必ずとは限りません。専門家への相談料や点検の費用、役員の時間といった負担も含めて、総合的に比べましょう。

Qいったん自主管理にしたら、管理会社に戻せますか?
A

一般的には、総会で決議して、改めて管理会社と契約することが可能です。ただし引き受けてもらえる条件や費用は会社によって違うため、早めに相談先を探しておくと安心です。

Q役員のなり手がいないときはどうすればいいですか?
A

負担が大きすぎる可能性があります。一部の業務だけ委託する、役員の人数や任期を見直す、といった調整を話し合ってください。無理に続けると、運営が止まるおそれがあります。

まとめ

「管理会社の仕事を洗い出す → メリットと負担を比べる → 一部委託も含めて検討する → 総会で決める → 会計・業者・役員・緊急連絡を整える → 定期的に見直す」。自主管理は、無理のない範囲で、必要なら専門家の力も借りながら続けるのが大切です。

参考リンク

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みんなの取説 torisetsu.jp / https://torisetsu.jp/manual/self-managed-condo-guide/
作成日:2026年10月26日 ※内容は更新されることがあります。最新版は上のURLで確認できます。一般的な情報であり、医療・法律・お金などの判断は専門家や公式窓口にご相談ください。

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