
みんなの取説 torisetsu.jp暮らしの取説
アルコール依存症の人との関わり方・本人のための取説
アルコール依存症は意志の弱さではなく病気です。サイン、本人が相談する第一歩、家族の接し方、受診や自助グループの入口をまとめました。
- 対象者
- 飲酒をコントロールできないと感じている本人 ほか
- 難易度
- 普通
- 所要時間
- 相談の第一歩は電話1本から
- 最終確認
- 2026年10月13日
これは何の取説?
お酒の飲み方で悩む本人と、その家族に向けた取説です。アルコール依存症は、本人の意志の弱さや性格の問題ではなく、治療や支援で回復を目指せる病気とされています。相談と受診の入口を中心にまとめました。
こんな人向け
- 飲酒をコントロールできないと感じている本人
- 家族やパートナー、友人
- 職場で気づいた人
- どこに相談すればよいか知りたい人
まず知っておくこと
お酒をやめられない理由は人によって違います。体質、環境、ストレス、病気など、複数の要因が関係すると言われます。「だらしない」「弱い」と責めても、解決にはつながりません。
この記事は一般的な情報です。診断や治療方針は、医師などの専門家が個別に判断します。
必要なもの
- 飲酒量や状況を書いたメモ(1〜2週間分)
- お住まいの地域の保健所・精神保健福祉センターの連絡先
- 受診のときに伝えたいことのメモ
- 家族の場合は、自分が話せる相談先
手順
病気であることを知る
アルコール依存症は、飲酒のコントロールが難しくなる病気です。意志が弱いから、人格が悪いから、ではありません。
病気だと知ることは、本人も家族も、自分を責めすぎず、相談しやすくなる第一歩です。一般的なサインを知る
次のようなことが続くときは、相談を考えるきっかけになります。
- 飲む量や回数を減らそうとして、できない
- 朝や仕事中にも飲む、隠れて飲む
- 飲酒のために仕事、家事、約束に影響が出る
- 飲まないと手が震える、眠れない、落ち着かない
- やめた方がよいと言われても、やめられない
あてはまっても、診断は医療機関でのみ行われます。
本人の第一歩は、「相談する」こと
お酒をやめる決意の前に、まず相談して構いません。話すだけでも一歩です。
相談先: 保健所、精神保健福祉センター、精神科、依存症専門外来、かかりつけ医。
電話では、「お酒のことで悩んでいる」と伝えるだけで大丈夫です。自己判断で急にやめない
長く多く飲んできた人が、急にお酒をやめると、離脱症状(手の震え、大量の発汗、不眠、けいれん、幻覚など)が出ることがあります。命にかかわる場合もあります。
「やめよう」と思ったら、自己判断で急にやめず、必ず先に医療機関に相談してください。受診と治療の入口を知る
精神科や依存症専門外来で、状態の確認、離脱症状への対応、治療の計画が行われます。入院を含む治療や、通院での治療など、方法は人によって違います。
受診のときは、飲酒の量や頻度、体調、困っていることを、そのまま伝えましょう。自助グループにつながる
断酒会やAA(アルコホーリクス・アノニマス)などの自助グループは、同じ経験を持つ人が体験を語り合う場です。回復を続けるうえで支えになる人も多くいます。
全日本断酒連盟や、地域の精神保健福祉センターで、近くの会の情報を確認できます。家族は、責めすぎず、隠さない
家族は、「なぜやめられないの」と強く責めるのを避けます。声かけの例: 「お酒のことで心配している。一緒に相談に行ってみない?」
本人の飲酒を周りに隠したり、飲んだ後の後始末を代わりにしたりすることは、一時的には助けでも、問題が見えにくくなることがあります。巻き込まれすぎない(共依存に注意)
本人の飲酒に振り回され、家族が自分の生活や気持ちを後回しにし続けることがあります。
できること: 話を聞く、相談先を伝える、一緒に受診を勧める。
できないこと: 本人の代わりにお酒をやめること、飲酒の責任を引き受けること。
境界線を決め、自分の生活を守ることも大切です。家族自身も相談する
家族だけでも、保健所、精神保健福祉センター、家族のための会(断酒会の家族会など)に相談できます。
本人が受診を拒んでいても、家族が相談して、対応を学ぶことで、状況が動くことがあります。
注意点
- 長く多く飲んでいる人が、自己判断で急に飲酒をやめると、けいれん、幻覚、強い震え、意識の混乱などの離脱症状が出ることがある。やめる前に必ず医療機関に相談する
- 離脱症状が疑われる、意識がもうろうとしている、けいれんが起きているときは、すぐ119
- 暴力、脅し、物を壊すなどがあるときは、すぐ110。自傷や、自殺をほのめかす言動があるときは、一人にせず、119または警察110、医療機関へ
- 飲酒運転は絶対にしない・させない
- 酔った状態で、無理に話し合おうとしない。落ち着いたときに話す
- この記事は一般情報であり、診断や治療の判断を行うものではない
コツ
- 飲んだ日、量、きっかけをメモすると、相談時に役立つ
- 家族は、本人が飲んでいない落ち着いた時間に話す
- 自助グループは、見学だけでもよい。合う会を探してよい
- 再び飲んでしまっても、相談をやめず、正直に伝える
- 本人の「できていること」を言葉にして認める
よくある質問
Q本人が「自分は依存症ではない」と言って、受診しません。
否認は、この病気でよく見られると言われます。説得に疲れたときは、家族だけで保健所や精神保健福祉センターに相談できます。対応のコツを聞けます。
Q少しずつ減らすのはだめですか?
減らし方や、断酒が必要かどうかは、状態によって違います。離脱症状の心配もあるため、方法は医療機関で相談してください。
Q家族が代わりに謝ったり、会社に連絡したりしてもよいですか?
短期的には必要な場面もありますが、続けると本人が問題に向き合う機会が減ることがあります。どこまで対応するかは、相談窓口で一緒に考えられます。
Q断酒会とAAは何が違いますか?
どちらも、同じ経験を持つ人が集まる自助グループです。運営の仕方や雰囲気が違うので、見学して合うほうを選んで構いません。
まとめ
「病気だと知る → サインに気づく → まず相談する → 自己判断でやめず医療機関へ → 自助グループ → 家族は責めず巻き込まれすぎず → 家族も相談」。危険があるときは、迷わず119・110を。
参考リンク
この取説はどうでしたか?
みんなの取説 torisetsu.jp / https://torisetsu.jp/manual/alcohol-dependence-guide/
作成日:2026年10月26日 ※内容は更新されることがあります。最新版は上のURLで確認できます。一般的な情報であり、医療・法律・お金などの判断は専門家や公式窓口にご相談ください。
この取説への質問
取説の内容について分からないことを質問できます。作者が回答します。
まだ質問はありません。