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点検商法・危険商法がきたときの取説(見分け方・断り方・契約してしまったとき・家族や友人が巻き込まれたとき)
「点検に来ました」「このままでは危険です」「義務化されました」と不安をあおる訪問に出会ったときの見分け方、そのまま使える断り文句、契約してしまったときの動き、相談先をまとめました。親しい人が巻き込まれたときの関わり方と、気持ちが縛られてしまったときの考え方も載せています。
- 対象者
- 突然の訪問で「点検」「危険」と言われて、不安になったことがある人 ほか
- 難易度
- 普通
- 所要時間
- 読むのに15分、家族で話し合って備えるのに30分ほど
- 最終確認
- 2026年10月16日
これは何の取説?
突然訪ねてきた業者が「点検に来ました」と言って家に上がり、「このままだと危険」と不安をあおって、工事や商品の契約をさせる手口に出会ったときの取説です。屋根、外壁、床下、分電盤、給湯器、太陽光パネルなど、対象はさまざまです。見分け方、その場での断り方、契約や支払いをしてしまった後の動き、そして家族や友人が巻き込まれたとき、自分自身が巻き込まれかけたときの考え方を、順に整理しています。
こんな人向け
- 突然の訪問で「点検」「危険」と言われて、不安になったことがある人
- 親や祖父母など、家族の訪問トラブルが心配な人
- すでに契約してしまい、どうしたらよいか分からない人
- 親しい人が、ある業者や人物の話ばかり信じるようになって心配な人
- 「自分は大丈夫」と思っているが、備えは特にしていない人
まず知っておくこと
だまされるのは、誰にでもあることです。家のことは普段なかなか見えない場所が多く、専門家のように「危ない」と言われれば、誰でも不安になります。被害にあった人に落ち度があるわけではありません。
この記事は一般的な情報で、法律やお金に関する個別の助言ではありません。相談件数や被害額、窓口の受付時間や通話料は変わりやすいため、ここには書いていません。必ず消費者庁・国民生活センターなどの公式サイトで最新の情報を確認してください。
関連して、詐欺全般は詐欺に引っかからないための取説(scam-prevention-guide)も参照してください。
必要なもの
- 契約書面、名刺、チラシ、見積書など、業者から受け取った紙
- 業者とのやり取りを残すためのスマホ(写真・録音・メモ)
- 家族や信頼できる人の連絡先
- 住んでいる地域の消費生活センターを調べられる端末
- 修理や点検を頼みたいときに使える、自分で選んだ業者の候補(家族の紹介、自治体の案内など)
手順
この商法の見分け方を知る
点検商法は、「点検」を入り口にして不安をあおり、契約を迫るのが特徴です。次のサインがそろうほど注意が必要です。
- 頼んでいないのに、突然訪ねてくる
- 「近所で工事をしています」「近くまで来たので」と、親しみやすく入ってくる
- 「無料で見ますよ」と言って、屋根や床下、分電盤などに上がる、入る
- 「このままだと危険」「放っておくと家が傷む」「今すぐ直さないと大変」と不安をあおる
- 「法律で義務化された」「決まりになった」と、断りにくくする
- 「保険金が使えるので自己負担はほとんどない」と持ちかける
- 今日だけ、今契約すれば安くなる、と決断を急がせる
- 点検した場所の写真を見せるが、その場で業者しか確認できない
手口や言い方は変わりますが、「不安をあおる」「急がせる」「その場で決めさせる」は共通しています。
「義務化」「危険」と言われたときの考え方
「義務です」と言われても、本当にそうとは限りません。
- 「義務」と言われたら、その場で決めず、公的な機関や自治体の公式サイト、消費生活センターで本当かを確認します。業者の言葉だけで信じず、自分で調べた公式の窓口に確認します
- 「危険」と言われた箇所も、その場で決めずに、別の業者に見てもらったり、家族に写真を見せたりして、比べます
- 「保険金が使える」と言われたときは、業者に任せず、契約している保険会社に自分から問い合わせて、内容を確認します
焦らずに、その場で決めないことが、いちばん大切です。
その場での対応と、そのまま使える断り文句
断るのは失礼ではありません。相手が続けて話しても、同じ言葉をくり返せば十分です。
- まず、インターホン越しに応じる。ドアを開けず、「結構です」で終わらせてよい
- 「点検は頼んでいません。お帰りください」
- 「必要なときは、自分で決めた業者に頼みます」
- 「家族と相談してからでないと決められません」
- 「今日は決めません。資料も要りません」
- 「何度も来られると困ります。帰らないなら、消費生活センターや警察に相談します」
家に上げない、点検を頼まない、書類に署名しない、名刺や連絡先を教えない、支払いの約束をしない。この5つを意識すると、その場で契約してしまうことを減らせます。
帰ってくれないときや、大声を出されて怖いときは、迷わず110番で通報してください。緊急ではない相談は、警察相談専用電話の #9110 が使えます(受付時間や、使えない回線があるため、詳しくは警察の公式サイトで確認)。すでに上がらせてしまった、点検させてしまったとき
点検をさせてしまっても、契約したことにはなりません。次のように動きます。
- その場で契約書や承諾書にサインしない。「家族と相談する」と言って断る
- 見せられた写真や説明は、スマホで写真に撮るか、メモをとる
- 業者の名前、会社名、連絡先、担当者の名前が分かるものを控える
- 契約を迫られて怖いときは、ひとまず「今は払えません」「また連絡します」と伝え、すぐ家族や消費生活センターに連絡する
点検という名目でも、断りにくい状況をつくるのが手口の一部です。断れなかった自分を責める必要はありません。
契約・支払いをしてしまったときの動き
あきらめずに、できるだけ早く動くことが大切です。
- 追加の支払いや、工事の続きをいったん止める
- 契約書面、見積書、パンフレット、名刺、領収書、振込の控えなどを、すべて残す
- 業者とのやり取り(メール、LINE、通話の記録、写真)を消さずに残す
- 消費者ホットライン 188に電話し、最寄りの消費生活センターにつないでもらう。相談は無料(通話料は窓口につながった後に発生。詳しくは消費者庁の公式サイトで確認)
- 家族や信頼できる人にも話す
【クーリング・オフについて】
自宅への訪問販売で契約した場合は、法律上、契約書面を受け取った日から8日以内であれば、クーリング・オフ(無条件の契約解除)ができる場合があります。起算日は書面を受け取った日です。書面の不備や、業者が事実と違うことを言っていた場合などは、期間を過ぎても取消しなどができる可能性があります。- 方法は、書面(はがきなど)のほか、2022年6月以降は電磁的記録(メール、専用フォームなど)でも可能とされています
- はがきの場合は、両面をコピーして、特定記録または簡易書留など、記録が残る方法で送る
- クレジットを使った契約の場合は、販売会社とクレジット会社の両方に通知する
- 工事がすでに始まっている、終わっている場合でも、相談できることがあるため、あきらめずに窓口へ
制度の細部や、自分のケースが対象になるかは、188や消費生活センターで確認してください。
相談先を整理する
迷ったときは、次の順を目安にしてください。
- 契約やお金のトラブル:消費者ホットライン 188。最寄りの消費生活センターにつないでくれます。土日祝は、国民生活センターが対応する日もあります(日にちや時間は公式サイトで確認)
- 怖い思いをした、居座られた、脅された:警察。緊急は110、緊急でない相談は #9110
- 法的な手続きや弁護士への相談を考えるとき:法テラス サポートダイヤル 0570-078374(相談窓口や制度を案内してくれます。弁護士相談そのものではありません)
- 宗教や霊的な不安をあおられて、金銭や寄附を求められたとき:霊感商法等対応ダイヤル 0120-005931(法テラス。受付時間は公式サイトで確認)
相談窓口は、相談しただけで契約や費用が発生することはありません。迷う段階で使ってかまいません。
【親しい友人・家族がそうなったとき】まず責めない、孤立させない
家族や友人が、不安をあおられて契約してしまった、あるいは同じ業者の話ばかり信じているように見えるとき、周りができることがあります。
- 責めない。「なんでそんなものを」「だまされたんでしょ」は、本人を黙らせてしまいます
- 孤立させない。「どうせ信じないよね」と距離を置くと、相手の話だけを聞く状態を強めてしまいます
- まず本人の気持ちを聞く。何が不安だったのか、どこが魅力に感じたのかを、否定せずに最後まで聞きます
- 小さな疑問を、一緒に確認する。「ここの書類だけ、一緒に見てみない?」「他の業者にも見てもらってもいいかもね」と、小さなところから
- 一緒に消費生活センターに行く、または188に一緒に電話する。同行を申し出るだけで、本人の心の負担は軽くなることがあります
- クーリング・オフには期限(訪問販売は8日)があります。早く動く必要があるときは、そのことをやさしく伝えます
本人に代わって業者と交渉してよいかどうかは状況で異なります。弁護士や相談窓口に確認してください。
【洗脳(マインドコントロール)から目を覚ますために】一般に言われている考え方
不安をくり返しあおられ続けると、人は冷静に判断しにくくなり、「この人だけが頼り」と思い込んでしまうことがあります。これは、本人の弱さではなく、誰にでも起こりうることです。
ここに書くのは、一般に言われている考え方です。公的に確立された方法ではなく、効果を保証するものでもありません。専門的な対応が必要なときは、消費生活センターや弁護士、霊感商法等対応ダイヤルなどの専門機関に早めにつないでください。- 論破しない、否定しない。正しいことを突きつけても、反発を強めることがあります
- 人格を責めない。「バカだ」「だまされやすい」とは言わない
- 関係を切らない。つながりが続いていることが、本人が戻ってこられる場所になります
- 事実の確認を、一緒にする。契約書の内容、見積もり、別の業者の意見などを、「一緒に見てみよう」という形で確かめます
- 本人が自分で気づく余地を残す。結論を押しつけず、「どう思う?」と聞き、考える時間を持てるようにします
- 専門機関に早めにつなぐ。一人で抱えこまず、家族として相談することから始められます
【絶対にしてはいけないこと】
本人を無理やり連れ出す、部屋に閉じこめる、行動を制限する、持ち物を勝手に処分する、といった行動は、違法になりうるうえ、関係を深く傷つけます。どれほど心配でも、行わないでください。
宗教や団体と深く関わっている場合の相談先は、宗教の勧誘をことわる取説(religious-solicitation-refuse-guide)や、カルト・洗脳の取説(cult-brainwash-support-guide)も参照してください。【自分自身が巻き込まれかけたとき】気づき方
自分は大丈夫、と思うほど危ないことがあります。次のサインに気づいたら、いったん立ち止まります。
- 話を聞くほど、不安が大きくなっている
- 「ほかの人には相談しないで」「家族には言わないで」と言われた、またはそう感じている
- 「あなたのためを思って」と親切にされるほど、断りにくくなっている
- 契約や支払いを、今日中に決めなければ、と焦っている
- その業者の話だけを信じ、ほかの意見を聞きたくなくなっている
- 断ろうとすると、罪悪感や恐怖を感じる
気づいたら、まず「今日は決めない」と宣言し、家族や友人、消費生活センターに話してください。一人で決めようとしている状態そのものが、いちばんのサインです。「だまされるかもしれない」と思えた時点で、あなたはすでに立ち止まれています。
日ごろの備え
訪問への対応は、事前に決めておくと慌てずにすみます。
- インターホン越しに対応し、「結構です」と言えるように練習しておく
- 家族で「突然の点検は、その場で決めない」というルールを共有する
- 屋根や床下などの点検や修理が必要になったときのために、自分や家族で選んだ業者の候補や、相談する窓口を調べておく
- 訪問販売お断りのステッカーなどを玄関に貼ると、断る意思を示しやすくなります(効果は一律ではありません)
- 特に、日中ひとりで過ごすことの多い家族には、日ごろから声をかけて、気軽に話せる関係をつくっておく
注意点
- 「点検」の名目でも、頼んでいない訪問に、安易に家に上げたり屋根や床下を見せたりしない
- その場で契約書やタブレットの画面にサインしない。「今日だけ」は決断を急がせるサイン
- 「義務」「危険」と言われても、業者の言葉だけで信じず、自分で調べた公式の窓口に確認する
- 保険金が使えると言われても、業者任せにせず、契約している保険会社に自分から確認する
- 業者に言われたURLや電話番号は使わず、自分で調べた公式のものを使う
- クーリング・オフの期間(8日)は、契約書面を受け取った日から数える。迷ったら早めに相談する
- 親しい人が巻き込まれても、無理に連れ出す、閉じこめる、持ち物を処分する、などは絶対にしない(違法になりうる)
- この記事は一般的な情報で、法律やお金に関する個別の助言ではありません。具体的な事案は、消費生活センター、警察、弁護士などの専門窓口に相談してください
- 金額や件数の統計、窓口の受付時間・通話料は変わるため、公式サイトで最新の情報を確認する
コツ
- 玄関のインターホンに、断り文句を書いたメモを貼っておくと、焦っていても言える
- 「家族と相談します」は、いちばん使いやすい断り文句
- 契約書面は、捨てずにファイルにまとめておく
- 離れて暮らす親には、「訪問業者が来たら、まず電話して」と伝えておく
- 家族に「実はこんなことがあった」と気軽に話せる雰囲気をつくっておく
- 一度断った相手が何度も来る場合も、その都度同じ言葉で断り、回数や日時をメモしておく
よくある質問
Q点検を断ったら、本当に危険だったらどうしよう、と不安です。
不安になるのは自然なことです。でも、その場で決める必要はありません。気になる場合は、自分で選んだ別の業者や、家族の紹介、自治体の案内などで改めて確認してください。複数の意見を聞くと、判断しやすくなります。
Q契約書にサインしてしまいました。取り消せますか?
訪問販売で契約した場合は、契約書面を受け取った日から8日以内ならクーリング・オフができる場合があります。期間を過ぎていても、取消しなどができる可能性があります。まず消費者ホットライン188に相談してください。
Q業者に「もう工事の準備をしたから解約できない」と言われました。
そう言われても、すぐに支払いに応じないでください。クーリング・オフが認められる場合、業者が費用を請求できないこともあります。その場で返事をせず、188か消費生活センターに相談して、状況を伝えてください。
Q親が、同じ業者の人をとても信頼していて、話を聞いてくれません。
否定したり責めたりすると、かえって距離ができることがあります。まず気持ちを聞き、小さな疑問を一緒に確認するところから始めてください。契約書や支払いがあるなら、一緒に消費生活センターに相談することを提案してみてください。急ぐ場合は、188に家族として先に相談する方法もあります。
Q「保険金が使える」と言われましたが、本当ですか?
保険の対象になるかどうかは、契約内容や被害の原因によって異なり、業者が決めることではありません。申請を業者に任せず、契約している保険会社に自分から問い合わせて確認してください。判断に迷うときは、188でも相談できます。
まとめ
「頼んでいない点検は家に上げない・その場で決めない・サインしない」。「危険」「義務」と言われたら、自分で調べた公式の窓口で確かめる。契約してしまっても、訪問販売ならクーリング・オフ(8日)の可能性があるので、まず188へ。親しい人が巻き込まれたときは、責めず、孤立させず、気持ちを聞き、一緒に相談窓口へ。強引な連れ出しは絶対にしない。だまされるのは誰にでもあること。一人で抱えず、早く相談を。
参考リンク
この取説はどうでしたか?
みんなの取説 torisetsu.jp / https://torisetsu.jp/manual/inspection-sales-guide/
作成日:2026年10月26日 ※内容は更新されることがあります。最新版は上のURLで確認できます。一般的な情報であり、医療・法律・お金などの判断は専門家や公式窓口にご相談ください。
この取説への質問
取説の内容について分からないことを質問できます。作者が回答します。
まだ質問はありません。