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DV被害に遭っている人の取説(気づき方・安全の確保・相談先・周囲の関わり方)

DVは身体的な暴力だけではありません。「DVかも」と気づくチェック、安全の確保、相談先の探し方、記録の残し方、避難や保護命令の一般的な流れ、周囲の人の関わり方をまとめました。

対象者
パートナーとの関係に恐怖や息苦しさを感じている人 ほか
難易度
経験者向け
所要時間
最初の一歩は相談窓口に連絡することから(危険が迫るときは110)
最終確認
2026年10月15日
取説編集部

これは何の取説?

パートナーからの暴力(DV)に悩む本人と、「もしかして」と気づいた周囲の人に向けた取説です。殴る蹴るだけでなく、暴言や無視、お金の支配、性的な強要もDVに含まれるとされています。気づき方、安全の確保、相談先、記録の残し方、避難や保護命令の一般的な流れ、周囲の関わり方を整理しました。

こんな人向け

  • パートナーとの関係に恐怖や息苦しさを感じている人
  • 「これはDVなのだろうか」と迷っている人
  • 女性だけでなく、男性や、同性のパートナーとの間で悩んでいる人
  • 友人、家族、職場の同僚など、周囲で気づいた人

まず知っておくこと

【最初に、安全のために】
このページを見たこと、相談したことが、相手に知られると危険な場合があります。スマートフォンやパソコンの閲覧履歴、通話履歴、クラウドや共有アカウントなどから、相手に伝わることがあります。可能なら、相手が使えない端末(職場や図書館のパソコン、信頼できる人のスマートフォンなど)や、相手がいない場所と時間を選んでください。履歴の消し方が分からないときは、相談窓口で聞くこともできます。

DVは、被害を受ける人に原因があるものではありません。「別れればいい」「なぜ逃げないのか」と考えがちですが、恐怖、経済的な不安、子どもや仕事のこと、相手への情などから、離れるのが難しいことは珍しくありません。
また、被害は性別や年齢を問わず起こります。男性が被害に遭うことも、同性のパートナー間で起こることもあります。
この記事は一般的な情報です。法律や制度は個別の事情で異なるため、具体的なことは相談窓口や専門家に確認してください。

必要なもの

  • 相手に見られない連絡手段(安全な端末、別の連絡先)
  • 相談先の連絡先(相手に見つからない形で保管)
  • 避難が必要になったときの持ち出し品(下の手順で説明)
  • 記録(けがの写真、日記、メッセージなど)を安全に保管できる場所
  • 周囲の人は、自分が話を聞く時間と、本人の安全を第一に考える気持ち

手順

0 / 10 完了チェックはこの端末に自動保存されます
  1. DVの種類を知る

    DVは、次のような形で現れるとされています。

    • 身体的: 殴る、蹴る、突き飛ばす、物を投げる
    • 精神的(モラハラ): 暴言、人格を否定する、無視する、脅す、大切なものを壊す
    • 経済的: 生活費を渡さない、収入や使い道を管理する、働かせない
    • 性的: 望まない性行為の強要、避妊に協力しない
    • 社会的: 友人や家族との連絡を制限する、行動や携帯電話を監視する

    身体の暴力がなくても、心や生活を支配する行為は、DVとして相談できます。

  2. 「DVかも」と気づくチェック

    次のようなことが当てはまるか、振り返ってみてください。

    • 相手の機嫌をうかがって、びくびくして過ごしている
    • 自分が悪いから怒らせたのだ、と思うことが多い
    • 友人や家族との付き合い、外出、仕事を制限されている
    • お金を自由に使えない、使い道を細かく追及される
    • スマートフォンやSNSを見られる、行動を監視される
    • 嫌なのに性的な行為を断れない
    • 「お前のためだ」と言われつつ、否定や侮辱が続く
    • 暴力のあとに優しくなり、「もうしない」と言われては繰り返す

    一つでも強く当てはまるなら、診断のためではなく「話を聞いてもらうため」に相談して構いません。判断は専門の相談員が一緒に考えます。

  3. まず、自分の安全を最優先にする

    今すぐ危険があるとき(暴力を受けている、命の危険を感じる)は、迷わず110番に連絡します。声を出せないときは、通報の方法を警察の公式サイトで確認しておくと安心です。
    相手を説得したり、直接立ち向かったり、問い詰めたりすることは、かえって危険が増す場合があるため、避けるのが一般的です。
    そのうえで、日ごろから次のことを意識します。

    • 相手が不機嫌なときは、玄関や出口に近い場所にいる
    • 刃物など、凶器になりうるものがある場所(台所など)を避ける
    • 逃げる経路を頭に入れておく
    • 近所や信頼できる人に、いざというときの助けを頼めるか考える
  4. 相談先を知る

    一人で抱えず、まず話してみてください。相談は匿名でも可能な窓口があります。

    • DV相談ナビ(#8008): 最寄りの配偶者暴力相談支援センターにつながる全国共通の電話番号です。つながらない回線もあるため、うまくいかないときは内閣府男女共同参画局の公式サイトで窓口を確認してください。

    DV相談プラス(0120-279-889): 24時間の電話相談のほか、チャット相談もあります(受付時間は公式サイトで確認)。

    • 配偶者暴力相談支援センター: 各都道府県などに置かれ、相談や、必要な情報の提供をしています。お住まいの地域の窓口は、内閣府の公式サイトで探せます。
    • 警察の相談窓口: 緊急でないときも、警察に相談できます。警察相談専用電話は「#9110」で、発信した地域の警察につながります(緊急のときは110)。つながらない場合は警察庁・都道府県警察の公式サイトで確認してください。
    • 法テラス(日本司法支援センター): 法律の相談の入口です。制度の利用条件は公式サイトで確認してください。

    電話番号や受付時間、無料かどうかは変わることがあるため、必ず公式サイトで最新の情報を確認してください。
    「DVかどうか分からない」「別れるつもりはない」という段階でも、相談して構いません。

  5. 記録を残す(無理のない範囲で)

    後で相談や手続きをするときに役立つことがあるため、次のような記録を、安全に残しておきます。

    • けがの写真(日付が分かるように)、診断書(受診した場合)
    • 暴力や暴言があった日時、内容、場所を書いたメモや日記
    • 脅しのメッセージ、メール、録音など
    • 壊された物の写真

    記録が相手に見つかると危険になるため、保管場所には注意します。自宅に置かず、信頼できる人に預ける、相手が使えないクラウドやメールに保存する、などの方法があります。何を、どのくらい残せばよいかは、相談窓口で確認してください。
    記録が取れなくても、相談はできます。無理をして危険を冒さないでください。

  6. けがをしたときは受診する

    けがをしたら、医療機関で診てもらいます。受診の記録や診断書は、後の手続きで役立つことがあります。
    受診のとき、原因を聞かれたら、暴力を受けたことを伝えて構いません。医療機関から、支援につながる情報を得られる場合もあります。
    なお、相手と一緒に来院する場合など、本当のことを言いにくいときは、無理をしなくて大丈夫です。後日、あらためて伝えることもできます。

  7. 避難の準備を考える

    避難を考えるとき、いきなり家を出る前に、相談窓口で状況を話し、一緒に計画を立てると安全です。
    持ち出す物の例(準備できる範囲で、相手に見つからない形で):

    • 身分証明書、健康保険証、通帳、印鑑、現金
    • 携帯電話と充電器
    • 常備薬、メガネなど
    • 子どもの母子健康手帳、学校関係の書類
    • 記録(写真、診断書、メモなど)
    • 当面の着替え

    避難先には、親族や友人の家のほか、公的な保護の仕組み(一時保護など)があります。内容や利用の条件は、配偶者暴力相談支援センターなどで確認してください。
    子どもや、ペットがいる場合の対応も、相談時に伝えて一緒に考えます。

  8. 保護命令という制度を知る

    DVの被害者を守る法律に、保護命令という制度があります。裁判所に申し立て、認められると、加害者が被害者に近づくことなどが一定期間禁止されます。
    一般には、次のような流れとされています。

    • 配偶者暴力相談支援センターや警察に、被害を相談する
    • 必要な書類や証拠をそろえる
    • 裁判所に申立てをする
    • 裁判所が審理し、命令を出すかどうかを判断する

    対象となる人、命令の種類、期間、必要な手続きには条件があります。また、法律は改正されることがあるため、詳しくは配偶者暴力相談支援センター、警察、法テラス、弁護士など、窓口で最新の内容を確認してください。

  9. 男性や、同性間の被害でも相談できる

    DVは、女性だけの問題ではありません。男性が被害に遭うこともあり、「男なのに」と考えて、相談できずにいる人もいます。同性のパートナー間でも、暴力や支配は起こります。
    窓口によって、対応の範囲や受付の内容は異なる場合があります。相談するときは、状況を伝え、対応できるかを確かめてください。相談先の案内は、内閣府の公式サイトで確認できます。
    恥ずかしいことでも、弱いことでもありません。

  10. 周囲の人にできる関わり方

    友人、家族、同僚として気づいたときは、次のことを心がけます。

    • まず、話を聞く。「信じているよ」「あなたは悪くない」と伝える
    • 「なぜ逃げないの」「別れたら?」と責めたり、決めつけたりしない
    • 本人のペースを尊重し、決定を急がせない
    • 相談窓口の情報を、さりげなく伝える。相手に見つからない形で渡すよう配慮する
    • 加害者に直接注意したり、話し合いに行ったりしない(本人や自分に危険が及ぶことがある)
    • 危険が差し迫っているようすなら、110番に連絡する

    周囲の人自身も、窓口に相談して構いません。対応の仕方を聞けます。

注意点

  • 今まさに暴力を受けている、命の危険があるときは、すぐ110番。けがや意識の異常があれば119
  • 相談や検索の履歴、通話履歴、位置情報、共有アカウントから、相談が相手に知られることがある。安全な端末・場所を使う
  • 加害者を説得したり、直接立ち向かったり、別れ話を無理に切り出したりすることは、危険が増すことがある。単独で行わず、必ず相談窓口に相談してから
  • 別れ話や避難の前後は、特に危険が高まるとされることがある。計画は相談員と一緒に立てる
  • 周囲の人は、被害者に無断で加害者に連絡したり、勝手に通報の内容を伝えたりしない(本人の安全を損なうおそれ)。ただし、命の危険が差し迫っているときは110番
  • 保護命令や避難、離婚、養育費などの法律・制度は、この記事では一般的な流れにとどめている。具体的な内容は、窓口や弁護士に確認する
  • この記事は一般情報であり、法律相談や診断にかわるものではない。つらい気持ちが強いときは、一人で抱えず相談先に連絡する

コツ

  • 「これくらいで相談していいのか」と思う段階こそ、相談のしどき
  • 相談は一度でなくてもよい。気持ちが変わっても構わない
  • 相談窓口の連絡先は、相手に見つからない形(暗記、信頼できる人に預ける、など)で持つ
  • 記録は、完璧でなくてよい。日付と、あったことを短く書くだけでも役立つことがある
  • 周囲の人は、「何かあったら連絡してね」と伝えておくと、本人が動けるときに頼りやすい

よくある質問

Q暴力は振るわれませんが、暴言や無視が続きます。これもDVですか?
A

精神的な暴力(モラハラ)も、DVに含まれるとされています。身体の暴力がなくても相談できます。つらさが続くなら、窓口に話してみてください。

QDVを受けているのに、相手を嫌いになれません。おかしいですか?
A

おかしくありません。優しい時期があったり、情があったりして、離れにくいことは珍しくありません。気持ちを整理する段階から、相談員が一緒に考えてくれます。

Q相談したら、すぐ別れなければいけませんか?
A

いいえ。相談は、別れることを決める場ではありません。状況を話し、選べることを知るための場です。どうするかは、本人のペースで決められます。

Q友人がDVを受けているようです。無理にでも連れ出したほうがよいですか?
A

強引な行動は、かえって危険を高めたり、信頼を失ったりすることがあります。話を聞き、窓口の情報を伝え、本人のペースを尊重してください。命の危険が差し迫っているときは110番です。

Q男性でも相談できますか?
A

できます。男性や同性間の被害も、相談の対象です。対応の範囲は窓口で違う場合があるため、内閣府の公式サイトで案内を確認してください。

まとめ

「DVは身体だけではないと知る → 当てはまるか振り返る → 自分の安全と、相談が知られない工夫 → 相談窓口へ → 記録は無理のない範囲で → 避難や保護命令は相談しながら → 周囲は責めず、聞いて、窓口につなぐ」。危険が迫るときは迷わず110番を。

参考リンク

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みんなの取説 torisetsu.jp / https://torisetsu.jp/manual/dv-victim-guide/
作成日:2026年10月26日 ※内容は更新されることがあります。最新版は上のURLで確認できます。一般的な情報であり、医療・法律・お金などの判断は専門家や公式窓口にご相談ください。

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