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デマや詐欺、すれ違いから身を守る「脳のクセ」の取説
SNSのデマ、詐欺の誘い、家族や身近な人とのすれ違い。一見ばらばらな困りごとの根っこにある「脳のクセ」の仕組みと、焦ったときに試せる小さな工夫をまとめました。
- 対象者
- SNSの情報を見て、不安になったり腹が立ったりすることがある人 ほか
- 難易度
- 初心者向け
- 所要時間
- 読むのに10分ほど(5秒の間をとる工夫や書き出しは、その場で1〜数分)
- 最終確認
- 2026年10月11日
これは何の取説?
人の脳には、無意識のうちに働く「思考のクセ」があります。番組では、デマが広がる、詐欺にだまされる、身近な人とすれ違うといった困りごとは、どれも同じ脳のクセが背景にあると紹介されていました。この取説では、クセの種類と起きる仕組みを整理し、焦ったときに試せる対処法をやさしくまとめています。
こんな人向け
- SNSの情報を見て、不安になったり腹が立ったりすることがある人
- 投資やロマンス詐欺など、ネット上のやり取りによる被害が心配な人
- 家族や職場、ご近所との「言った・言わない」「やってあげた」のすれ違いに悩む人
- 焦ったときに、つい勢いで動いてしまいがちな人
まず知っておくこと
脳のクセは性格の欠点ではなく、誰にでも備わっている仕組みだと紹介されていました。この記事は考え方のヒントであり、心の不調の診断や治療を行うものではありません。
強い不安や落ち込みが続く、眠れない日が続く、日常生活に支障が出ているときは、ひとりで抱えず、かかりつけ医や専門の相談窓口に相談してください。詐欺の被害が心配なとき、すでにお金のやり取りをしてしまったときは、警察や消費生活センターなどに早めに相談しましょう。
必要なもの
- ノートやペン、またはスマートフォンのメモ機能
- 気持ちを落ち着けるための数秒の時間(深呼吸ができる場所があるとよい)
- 身近に相談できる家族や友人
- 困ったときの相談先(警察、消費生活センター、かかりつけ医など)の連絡先
手順
「脳のクセ」は誰にでもあると知る
デマ、詐欺、すれ違いは別々の問題に見えますが、根っこには共通の「思考のクセ」があると紹介されていました。
番組では、マジックの手品も、手元ではなく見ている人の頭の中で起きる錯覚を利用している、と説明されていました。
だまされやすい自分を責める必要はありません。まずは「誰の脳にもクセがある」と受け止めることが、トラブルを避ける第一歩です。何度も見聞きすると本当に思えてくるクセ(真実性の錯覚・単純接触効果)
根拠のない情報でも、家族や友人、ネット上で何度も目にするうちに、脳が「本当のことだ」と思い込んでしまうクセがあります。番組では「真実性の錯覚」「単純接触効果」と呼ばれていました。
番組の実験では、真偽の分からない文章を繰り返し見せると、45人中38人が、回数が増えるほど本当らしく感じるようになったと紹介されていました。
「自分はだまされない」と思っていても起こりうるものなので、同じ話を何度も聞いたときこそ、いったん立ち止まるのが大切です。毎日のやり取りで親しくなったと感じるクセと、詐欺の手口
繰り返し接する相手には、親しみや信頼を感じやすくなります。番組では、この性質が投資詐欺やロマンス詐欺に悪用されていると紹介されていました。毎日のメッセージで親しい間柄だと思い込ませ、一度も会ったことのない相手にお金を振り込ませる手口です。
対策の目安は、SNSで知り合っただけの相手からお金の話が出たら、振り込む前に必ず家族や警察、消費生活センターなどに相談することです。やり取りの長さや親しさは、相手を信じてよい理由にはなりません。自分の頑張りだけがよく見えるクセ(自己中心性バイアス)
人は自分が行った作業や苦労はよく分かる一方、相手がしてくれた努力や気づかいは見えにくくなります。番組では「自己中心性バイアス」と紹介されていました。
番組の家族キャンプの例では、夫婦がお互いに自分の貢献を大きく見積もり、合計が100点になるはずの評価が大きく食い違っていました。これは性格やわがままではなく、誰にでもある脳のクセで、研究者でも逃れられないといいます。疲れているときに特に強く働くとされるため、余裕のない日は要注意です。直感と論理、脳の中の2つの働き(システム1とシステム2)
番組では、脳には2つの情報処理の働きがあると説明されていました。
- システム1:ケーキを見て「食べたい」とすぐ反応する、直感的で速い働き
- システム2:「カロリーが高いから控えよう」と考える、論理的でゆっくりした働き
速いシステム1が先に答えを出しがちで、これが脳のクセの背景にあるそうです。さらに、疲れやストレスが高まるとシステム1が強まり、システム2が働きにくくなります。判断ミスやトラブルは、この偏りから起きやすいと考えられています。
昔は役立った警報装置が、いまは空回りすることがある
システム1を強める引き金のひとつが、脳の奥にある「扁桃体」だと紹介されていました。目の前にヘビが現れたとき、じっくり考えていたら危ないので、扁桃体が瞬時に警報を出して逃げさせる。これは生き残るための大事な仕組みでした。
ところが現代では、SNSの不安をあおる情報や日常のちょっとしたトラブルにも過剰に反応し、パニックや誤解につながることがあるそうです。強い不安や怒りを感じたときは「いま警報が鳴っているのかも」と一歩引いて眺めてみましょう。焦ったときは、すぐ動かず5秒の間をとる
番組では、まず次の「即行動しない」工夫が紹介されていました。
SNSで恐怖や怒りを感じたときや、人間関係で「自分ばかり」と感じたときは、スマートフォンを伏せる、深呼吸をする、ほかの作業(たとえば食器洗い)をするなどして、5秒以上ほかのことを考えます。それだけで、直感の暴走をやわらげられるとされていました。
航空機のパイロットも、急な事態で約1.5秒あえて何もしない時間をおき、感情の高ぶりを鎮めてから論理的に判断する訓練をしていると紹介されていました。焦っているときほど、すぐ行動しないのがコツです。考えを言葉にして、書き出して整理する
論理的に考えるシステム2を働かせるには、考えや情報を言葉にして分析するのが効果的だと紹介されていました。
- 心を落ち着けたいとき:「なぜ気持ちが動いたのか」をノートやスマートフォンに書き出す
- 相手の気持ちや状況を知りたいとき:感情を抜いた「客観的な事実」だけをメモする
番組では、大阪府の小学校で考えを言葉にして整理する授業を続けた子どもたちが、手品のタネを見抜けた例が紹介されていました。
最後に、知っておくだけでも効果があるという点も覚えておきましょう。番組の実験では、脳のクセの存在を事前に知った人は、繰り返し見ても信じる度合いが上がらなかったそうです。ただし、対策をしてもクセは完全にはなくならないため、うまく付き合っていく姿勢が大切です。
注意点
- この記事は考え方のヒントであり、心の不調の診断や治療を行うものではありません。強い不安や落ち込み、不眠などが続くときは、かかりつけ医や専門の相談窓口に相談する
- 持病や服薬がある人、症状が続く人、急な変化があるときは、自己判断せず医師に相談する
- お金の話が出たとき、すでに振り込んでしまったときは、ひとりで判断せず、警察や消費生活センターなどにすぐ相談する
- 脳のクセは完全にはなくならない。「自分は大丈夫」と過信せず、うまく付き合う姿勢をもつ
- 疲れている日は特に判断が偏りやすいので、大事な決断や返信は少し間をおく
コツ
- 不安な情報を見たら、すぐ拡散せず、発信元や日付を確認してから判断する
- スマートフォンを伏せる、水を一口飲むなど、自分なりの「5秒の合図」を決めておく
- 感情を書き出したあとは、感情と事実を分けて見直してみる
- 家族やご近所とのすれ違いが起きたら、「相手がしてくれたこと」を3つ思い出してみる
- 家族と「脳のクセ」の話をしておくと、お互いに声をかけ合いやすくなる
よくある質問
Q脳のクセは、頑張れば完全になくせますか?
番組では、脳のクセは生き残るために備わった仕組みで、完全になくすことはできないと紹介されていました。なくすことを目指すより、うまく付き合う方法を身につけるのが現実的です。
Q知っているだけで本当に効果がありますか?
番組の実験では、脳のクセの存在を事前に知らせておくと、同じ情報を繰り返し見ても信じる度合いが上がらなかったと紹介されていました。もちろん万能ではないため、紹介された工夫と合わせて使うのがおすすめです。
QSNSで知り合った人からお金や投資の話をされました。どうすればいいですか?
振り込む前に、必ず家族や警察、消費生活センターなどに相談してください。親しく感じていても、会ったことのない相手からのお金の話は慎重に扱うのが安心です。すでにやり取りが始まっている場合も、早めの相談が大切です。
まとめ
「脳のクセは誰にでもあると知る → 何度も見聞きした話や親しさを、本当らしさの証拠にしない → 焦ったら5秒、すぐ動かず間をとる → 考えや事実を書き出して整理する → 疲れた日は判断を急がず、困ったら周りや専門家に相談する」。クセは完全にはなくなりませんが、知って付き合うことで、トラブルは減らせます。
参考リンク
この取説はどうでしたか?
みんなの取説 torisetsu.jp / https://torisetsu.jp/manual/brain-habits-guide/
作成日:2026年10月26日 ※内容は更新されることがあります。最新版は上のURLで確認できます。一般的な情報であり、医療・法律・お金などの判断は専門家や公式窓口にご相談ください。
この取説への質問
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